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「なぜあなたは『愛してくれない人』を好きになるのか」感想/「父の娘」であろうとする娘の苦悩

「なぜあなたは『愛してくれない人』を好きになるのか?」

好きで付き合ったはずなのに、恋に苦しむ女性の所以を親に開けられた心の穴に着目し、どうしたら相手に求めるばかりの恋から、お互いを尊重し合う愛に関係性を変えていけるのか。どうしたら自分を受け入れられるのかが主に書かれた本です。

本文では母と娘の関係性が主に取り上げられていて、この辺りは愛着障害などでもよく言及される部分なのですが、巻末の女性心理士との対談で出てきた「父の娘」という概念が目新しかったです。

母とは別の存在として、女らしさは求められず、それでいて男性でもない。「ただ優秀であれ」と期待される娘の息苦しさ。件の女性心理士は出産をした時に父親に嫌な顔をされたことを振り返り、「娘に女になって欲しくない」父の心理を推察しています。

それを読みながら、私も「父の娘」だったんだなぁと気がつきました。うちの父はやや女性を下に見る傾向があり(学力主義なので、理系女性などは別)、母のことも馬鹿にしているのですが、私は父に似ていると認定されて、そのカテゴリーから外されてました。自分に似て頭のいい娘であることを期待したんですね。父は私が男性的な傾向を示す(論理的に話したり、算数が得意だったり)と俺に似ていると喜びました。

私の趣味はどちらかといえば男性によったものが多いのですが(戦史、スポーツ観戦、アクション映画、SF)、父に似た傾向は元々あったとして、父の喜ぶ娘になろうとしてなった部分も多いにあったんじゃないかなぁと今になって思います。

この「父の娘」のケース、私もそうなんですが女兄弟だけの家か、第一子が娘だったパターンに多いと思うんですよね。息子がいたら父親は多分そっちに期待すると思うので。

実際、第一子は他の兄弟より学力が高くなる傾向があることはよく知られていますが、特に女児の場合の方が顕著な傾向を示すそうです。 第一子で生まれた長女は人生で成功する確率が他の兄弟姉妹に比べて高い(英研究) : カラパイア

ヴィクトリア女王の長女ヴィッキーなんかは「父の娘」の典型じゃないかなと。 外見は母に聡明さは父に似た才女で、両親から溺愛され、王位継承者の弟(エドワード7世)が生まれてからも、両親の愛はヴィッキーにありました。 ヴィクトリア (ドイツ皇后) - Wikipedia

なんか話が全然関係ない方向に行ってしまいましたが面白い本でした。