そとでよ - モトコ・モリの暮らし

元ひきこもりの気ままな生活。10年ひきこもり→リハビリ→就職(イマココ)

「ダンケルク」4DX感想/映画ではなくて体験だった

話題の「ダンケルク」見てきました。感想まとめるのにえらく時間がかかりました。非常に長いです。でもまだまとめきれてません。

ノーラン映画相変わらず濃いですが今作は時間短めなのでまだ助かりました。

陸での1週間。 海での1日。 空での1時間。

それぞれからダンケルクを捉えようという面白い試みがなされてます。当然ながら、時間の流れ方が異なるため(特に陸軍)、思わぬ形で再登場したりなんかもありますが、いかんせん軍人ものはを見た「プライベート・ライアン」しかり、一回みただけでは登場人物の区別がつけづらいのが難点ですね。

事前に情報を調べていて、何でもIMAXで見ないと画面サイズがカット版になってしまうとのことですが、大阪の劇場以外は日本のどこで見てもカット版だそうなので&画面が大きくなったところで作品良しあしには関係がないと思っているので、あまり気にせず4DXで見てまいりました。時間がちょうどよかったというのもありますが。

ざっくり感想

4DXで見たの失敗だったかな ((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル状態で、途中から映画楽しむというよりは「早く戦争終わってくれ」って気持ちになってました。

臨場感がありすぎて次に何が来るか怖くて仕方なかったです。映画は他人事として第三者視点から落ち着いて見たいタイプだというのが確認できました。

没入感を求めてる人は空中戦なんかは非常に爽快なんじゃないかなと思います。臨場感はすごくありました。

映画の内容が海岸沿いに追い詰められて、祖国に帰る船にやっと乗ったと思ったら空爆されて沈没して、新しい船見つけたと思ったら魚雷攻撃されて沈没して、また船に乗って……って映画なもので。カナヅチには恐怖しかなかったです。服着て泳ぐのも大変だと聞くのに、重い軍装付きで海に投げ出されて良く浮かんでるなこの人たち……。

最初は方法なるほどと4DX楽しむ余裕もあって、「Uボート」4DXで見たら水しぶきとかボルト飛んだりとか親和性すごそうだけど、帰り水びたしになりそうだな〜とか、「ヒトラーの忘れもの」4DXで見てデンマークの風を感じたいなぁ〜爆風は感じたくないなぁ〜などと考えていました。

個人的にはこういう臨場感重視の作品よりは芸術寄りの作品で、海の風とか空気感を感じたいなぁと思ったわけですが、それに追加料金を払えるかというと微妙なところなのでアクション大作がメインラインナップなのでしょうねぇ……。

覚え書き陸海空

場面場面の切り替わりはうろ覚えなので、ある程度きりのいい展開で区切ることにしました。

まずは陸軍。冒頭、命からがらフランス軍の防衛線の内側、海岸線にたどり着いた英国兵のトミー

海岸に遺体を埋めている無口な兵士ギブソンを見かけて手伝ったところ、水筒を差し出される。以後、行動を共にすることに。

遺体の軍装はそのまま埋めるはずなのに、何故遺体が裸足だったのかっていうのが後々への伏線となってます。「西部戦線異状なし」で、いいブーツが主の死の度に持ち主を変えたように、靴は真っ先にかっぱらわれたりもするのでさほど不自然ではないのですが。

輸送は英国兵からだとフランス兵を押しとどめているのを目に入れつつ、本国輸送は部隊単位の順番待ち。帰国順は近衛連隊などの精鋭部隊が優遇されており、トミーはすぐには乗れそうにありません。

フランス兵には伝えていませんが、イギリス政府は輸送命令は英国兵のみに出しており、フランス軍を避難させるつもりはないことも英国将校の話から明らかになります。

兵士の輸送を邪魔しようとするドイツ軍の空爆がひっきりなしに海岸線を襲う中、「空軍は何してる!?」と兵士の悲痛な叫びがこだまします。

トミーとギブソンは担架で船に運びこまれる負傷兵をみて、負傷兵の運び手として乗船を企図しますが、担架を運び込んだ後にお前たちは降りろと追い返されてしまいます。

橋の下に潜り込み、乗船の機会をうかがうトミーとギブソン。将校たちの会話から浅瀬から深瀬に兵士を運ぶ小舟もない。大型船に乗るには橋から乗るしか方法がない。橋が爆撃機にやられたら到底、帰還できないという事情も聞かれます。

乗り損ねた船はドイツ軍の空爆で出航間も無く沈没。トミーとギブソンは沈没した船から脱出したアレックスを海から引き上げます。

頼みの船は沈んでしまったし、どうするかというところで「ハイランダーズだ!」と仲間を見つけたらしいアレックスについていきます。

階級社会の根強い英国では、違うコミュニティに所属するもの同士では軋轢が発生するため、同じ職場、地方出身者で部隊を組むことが多く、ハイランダーズもスコットランドのハイランド地方出身者からなる部隊です。

イングランド、ウェールズ、北アイルランド、スコットランドからなるブリテン王国の中で最も遅く併合されたスコットランド、未だに度々独立が議論されるなど反英感情が強いことでも知られています。

その中でも、特にハイランド地方はゲール語などのケルト文化を色濃く残しており、単なる英国兵とは一線を画しており、また土地柄古くから、ヴァイキングなどの侵略に抗戦する必要があり、山岳地帯で産業に乏しい(造船業で知られるグラスゴー、首都のエディンバラなどスコットランドの都市はローランド地方に集中していることからもうかがえます)ことから、中世では人的資源として傭兵も多く輩出するなど、勇敢な兵士として名高いため第二次大戦でもこぞって徴兵された精鋭部隊であるというバックグラウンドがあり、これまた伏線。

アレックスに付いて行きハイランダーズに交じって乗船するトミーとギブソン。部隊が違うとバレないように目立たないように行動するトミー。姿の見えないギブソンをアレックスは「お友達はどうした?」と。トミーは「逃げ道を探してるんだ。沈没した時のために」

案の定、再度、船は沈没。緊急時用の小舟を見つけたものの、「もう乗れない」と乗船を断られてしまいます。

一方の英国本土では、兵士を輸送するための船が足りないと見て、救難用に民間船を徴用することを決めました。

軍に徴用されるくらいなら自分で兵士を助けに行くと遊覧船を出したドーソン船長。息子のピーターは父の狙いを承知で乗り込みますが、手伝いのジョージまでついてきてしまいます。

このジョージくん、ブロンドでハンサムないかにも出来のよさそうなピーターくんと比べると、良く言えば純朴そうな見たままを言えばトロそうな顔してるわけで……もうこの時点でハラハラさせられてしまうわけです。この味のある顔、抜群の配役だなぁと思います。

「戦場に行くんだぞ、わかってるのか」と念を押すピーターに「きっと役に立つよ」と言うジョージ。目を見合わせるドーソン親子ですが、軍が控えている港に戻るわけにもいかず、そのまま海に出ます。

途中、船の残骸の上でガタガタ ((((;゜Д゜)))震えるキリアン・マーフィー演ずる名もなき英国兵(名無しでは感想が書きづらいので以下キリアン)を救助したりしつつ、一向はダンケルクへ向います。

ろくに口も聞かない、寒い甲板から暖かい船室にも行きたがらないキリアンを不思議がるジョージに、ドーソン船長は砲弾病(シェルショック)だと説明します。「自分を見失ってる。二度と取り戻せないかもしれん」と。重いですねぇ。

見た所、遊覧船なのに、船の進行方向がどうも怪しいなと思ったキリアンは「どこに向かってるんだ?」とドーソン親子に尋ねます。

「ダンケルク」と答えられ「二度とあそこには戻らないぞ!進路を変えろ!」と要求します。そう、彼は件のダンケルクから命からがら逃げのびてきたのでした。もちろんドーソン船長は断ります。

ちなみに、先述の小舟でトミーとギブソンの乗船を断ったのがこのキリアンだったりします。感想では展開がわかりやすいように後に回してますが、実際は海で英国兵保護→陸で乗船拒否の順番だったかとおもいます。時系列シャッフルはノーランの十八番ですが、ニヤニヤしますねぇ。

ピーターはキリアンをうまいこと宥めて船室の地下倉庫に招き入れ、温かい紅茶を入れてやります。そして気づかれないようにこっそり鍵をかけてしまいます……。

甲板では3機のスピットファイアが悠々と船を追い抜いて行きました。「我が国が誇るスピットファイアだ」と音だけでスピットファイアだと言い当てたドーソン船長に、ジョージは不思議がります。ロールスロイスマーリンエンジンの音を聞き分けているという玄人っぷりです。

閉じ込められたことに気づいたキリアンが暴れているとピーターが2人に声をかけに来ます。ドーソン船長は「閉じ込めたのか?出してやれ」と……ピーターが恐る恐る鍵を開けに行くと部屋は既に空っぽ。

キリアンはドーソン船長に進路を変えるように詰め寄っていました。「武器もないのに死にに行くだけだ」と兵士。「銃を持ってるのか?」とドーソン船長。「ライフルがある」とキリアン。「爆撃機とUボート相手に役に立ったか?」とドーソン船長は沈着冷静です。

暴れるキリアンの肘が止めようとしたジョージにあたり、ジョージは床に後頭部を強打します。ピーターが手当をして倉庫に寝かせてやりますが、頭部からの流血が止まりません。

「どうしてついて来たんだ」とジョージに尋ねるピーター。見た目の通り学校ではあまり成績が良くないというジョージくん。でも「いつかは新聞に載るくらいすごいことをしてやるんだ」と如才なく死亡フラグを立てます。いいから寝てなさいよ……。

ジョージを部屋において英国に戻るかと父に判断を仰ぎますが、フランスは目前で既に引き返す距離ではなくなっていました。

戦場のシーンより何より、一連のジョージ関連のシーンが堪えました。鬱になります。

脚本のジョージが「Sea cadet」とドーソン親子を指しているのを見るにドーソン親子は海軍予備役の登録兵のようです。なるほど、やけに軍に詳しいのも頷けますね。

さて、船の上空を飛び去った3機編成のスピットファイアも、撤退を邪魔する空爆に対抗するためダンケルクに向かっております。ドイツ兵と交戦してる間に、何もしないまま隊長機が墜落(声の出演はノーラン映画常連のマイケル・ケインという豪華仕様です)しており、コリンズファリアーの二機のみでしばらく飛び続けます。

航続距離が短いことで知られるスピットファイアは帰投燃料は残すようにと無線通信で度々念を押されていますが、ファリアー機は計器が壊れてしまいコリンズとの通信で大まかな燃料を把握するという苦肉の策。

しかし、ドイツの爆撃機に襲われている掃海艇を救うため、護衛戦闘機のMe109と交戦(ファリアーは爆撃機のハインケルを担当)し、機体に損傷を受け海面着水を決めることになります。ファリアーは正確な燃料もわからないまま、一機で飛び続けることになります……。

再び陸

時は戻って、どうにか海岸線に舞い戻り、浜辺に無人の商船を見つけ、潮が戻れば浮かぶかもしれないと乗り込んだハイランダーズ+トミー+ギブソン。しかし、干潮でしばらくは浮かびそうもありません。

長らく満潮を待っている間に、船員が戻って来てダンケルクの窮状を聞いて駆けつけたオランダの商船であることがわかったりします。駆けつけたのに身分疑われて銃で脅される水夫さん気の毒。

いざ、潮が満ちてそろそろ浮かぶかというところに、外から攻撃を受け、船はそこら中に穴が空いてしまいます。

このままでは浮かばないと軽くするために誰か一人降りろという流れになりますが、外の攻撃からして出れば死んでしまうのは何よりも明らか。誰も降りたがりません。業を煮やしたアレックスが「降りるやつは決まっている」と声をあげます。

ギブソンがこれまで一言もしゃべっていないことを根拠に、ドイツ訛りがバレるから喋らないのだろうとドイツ軍のスパイだと告発します。

ギブソンを信じているトミーは喋るように促しますが、長い沈黙を破ったその言葉はフランス語でした。スパイではありませんでしたが……。

フランス人は輸送されないことを知り、冒頭で埋葬していた遺体の軍装を着込んで、英国兵に成りすましていたことが明らかになります。んー、布石が効いております。

スパイ騒動がひと段落ついたところで、浮かばなかった「ギブソンの次はお前だ」と言われるトミー。困惑していると「お前は同じ部隊じゃない」とアレックス。ここで同郷部隊、更にはイングランド人ではなくスコットランド人であるという自負からなる、ハイランダーズの排他的土壌が活かされます。こちらも見事。

何だかんだで一時船は浮かぶのですが、結局は攻撃に耐えきれず、沈没の憂うき目にあいます。何回沈むんですか……。

皆がもうダメだと判断し、船を離れる中、言葉がわからないためか、逃げ遅れたギブソンに最後、声がけしたのはアレックスでした。

海中でもがくギブソンの手の動きが止まる瞬間がつらい……とてもつらい……。

交わる海と空と陸

さてパラシュートでの脱出ではなく、海面着水を決めたものの、コックピットが開かず沈みかけているコリンズ機を見つけたドーソン親子。

「きっと死んでる」と父を諦めさせようとするピーターですが、「生きて救うチャンスがあるんだ!」と息子の言葉を聞かずに、ドーソン船長は助けに向かいます。

コリンズにジョージの怪我を見せるピーター。「処置は適切だと思うが何とも言えない」とコリンズ。

掃海艇から重油が漏れ出しているのを見て、コリンズはドーソン船長にエンジンを止めるように指示します。

ファリアーと爆撃機の戦いを応援するコリンズ。掃海艇に乗り込んでいた兵士たちは海面に身を投げ出します。海面に浮かぶ重油まみれの兵士たちをせっせと救助するコリンズ、キリアン、ピーター。

兵士を船倉に案内するピーターは、兵士たちの荒っぽい足取りに寝ているジョージを気遣い、「気をつけてくれ」と頼みますが、「死んでるぞ」という兵士の言葉からジョージがすでに事切れていることを知ります。

ショックを受けたピーターですが、すぐに気を持ち直し「だからだ。丁重に扱え」と。大人ですねぇ。ちなみにジョージが「死んでるぞ」と言ってるのはアレックスです。助かったんですねぇ。

船室の外で「彼は大丈夫か」とジョージの怪我を気にしているらしいキリアンに、ジョージの死を伝えないことを選ぶピーターくんが大人です。兵士は恐怖でおかしくなっていただけで、ジョージの死を伝えたら兵士が傷つくだろうと思ってのことなんでしょうね。ドーソン船長はそんな息子と視線を交わし合います。

間も無く爆撃機が海面に墜落し重油に着火、辺りは火の海に。最後に救い出された兵士が顔の油を拭うとトミーでした。

辺りを見渡して見れば国の有事に駆けつけたのはドーソン船長たちばかりではありません。バカンス用としか思えないクルーザーや漁船、無数の小舟の群れに「祖国が見える」という将校がいいですねぇ。

沖の大型船に兵士を輸送する小型船がないという序盤の布石も回収し、浅瀬の兵士たちを乗せ沖の大型船に運び込みます。

Me109を目一杯ひきつけてから華麗に旋回し難を逃れたりがあり、ドーソン船長がやけに空軍に詳しいと不思議がるコリンズ。ドーソン船長は息子が空軍だと明かします。「君かい?」とピーターに尋ねますが、ピーターは首を横に振り、ハリケーンに乗った兄が開戦から3週間で戦死したことを告げるのでした。

ドーソン親子が何故命の危険を侵してまでダンケルクに来たか、何故ドーソン船長がコリンズを助けようと躍起になったのかがようやくわかります。

コリンズがハリケーンと聞いて複雑そうな顔を見せるのもまたいいですね。大戦初期、量産体制の整っていなかったスピットファイアを温存し、旧型のハリケーンで出撃することを選び、独軍の数の優位に圧倒され多くの犠牲を出したという背景が効いてます。

英国まで兵士を乗せて戻るムーンストーン号。

集まった帰還兵の中には、コリンズを見て「空軍は何してやがった」と暴言を吐く兵士もいますが、「我々は知っている」とフォローするドーソン船長がやさしい。

これまた史実に基づいていて、ダンケルクにおいて空軍も兵士の帰国のために尽力したのですが、海辺で霧が濃かったことで、それを実感する陸軍兵士は多くなかったそうです。こんなとこまで史実〜。いやほんとノーラン監督は細かいところにうるさ……もとい緻密です。

護送列車に乗り込んだトミーとアレックス。逃げ帰ったことで非難されるのではないかと恐れるアレックスですが、止まった駅では良く戻ったとビールを差し入れられます。

海岸では英国兵の輸送が終わった後も、フランス兵も輸送しなければならんと将校が最後まで浜辺に残る決意を固め、燃料が尽きたファリアーは敵地に着陸。機密保持のためにスピットファイアを燃やし、ドイツに投降したものと思われます。

ピーターは地元の新聞社に、ジョージの話を持ち込んで「ダンケルクの英雄」という記事になります。新聞に載る夢は叶ったけれど……。

トミーが新聞に載った徹底抗戦を訴えるチャーチルの名演説を読み上げて幕。これでもかなり端折ってますが、ノーラン作品にしては短いんですが濃度は変わらずです。

改めて感想

見たの2週間以上前なんですがめちゃくちゃ消化に時間がかかってしまいました。見た後は心身の消耗が激しくて軽くキリアン状態でした。

ネットでは結構賛否が分かれていますが、私も好きか嫌いかでいうといまひとつ分からないです。こうして流れを追って感想を書く中で、ノーランらしく作り込まれた作品だなぁということを認識することができましたが、

トミーがどんな兵士であるかとかは人が良さそうなこと以外は全く分からないんですね。人物にフューチャーするのではなく、ダンケルクという広い事象を描き出すための舞台装置としての登場人物たちという感じがすごくしました。

物語的にもチャーチルの演説でその後を示唆してはいますが、物語の時点では撤退に成功しただけであり、そこに英雄的素養はないわけです。

第二次大戦を振り返れば、この時点での人的損害を抑えたことは、間もなくフランスが降伏し、連合軍がイギリスただ一国となり、バトル・オブ・ブリテンという激戦を経て、さらに5年を戦うことになったことを思えば、重大な出来事なのですが、

随所で優秀さをうかがわせていたピーターくんとか、絶対に後々正規兵として徴用されただろうし、ダンケルクを生き残った兵士たちもその後の5年間でどれほど生き残ったのだろうか……と考えてました。

特にフランス兵は輸送されないと知って英国兵に偽装していたギブソンとか「ギブソン(仮)が何をしたって言うんだ」と非常に遣る瀬無い気持ちになります。かといってアレックスは悪い奴ではないんですよ……。

ピーターの計らいで新聞では英雄ということになってますが、帰還兵に小突かれて後頭部打って何もしないまま死んだジョージとか、キリアンも悪人じゃないのも見ているうちにわかってくるので、どこに虚しさをぶつけたらいいんだか分からなくなります。

ドイツ軍を悪ではなく敵として、結構淡々と描かれているのも好感が持てました。爆撃機や戦闘機の姿は見えますが、ドイツ兵自体が出てこない、匿名性が高すぎて感情移入先になり得ない構造になってます。

そのあたり、直近に見た映画が、ドイツ側ががっちりヴィランサイドに配されているワンダーウーマンだったので尚のこと新鮮に見れました。

最初見に行くのも迷っていたんですよね。

ノーラン作品はメメント、インセプション、ダークナイトシリーズとそれなりには観ているものの手放しに「好き!」って作品はなくて(インセプションは未だにわけがわからないです)、見れば何かしら唸らされる点があるので見てしまうという感じ。

小説家でいうと森博嗣と同じ立ち位置です。森博嗣も10冊以上は読んでるので、好きな作家ではあるんですが、面白いけど読むときに頭使うのですごく読んでて疲れる。

SF好きだけどインターステラー見てない理由は「ノーランのSFとか疲れるに決まってる!」です。

消耗が激しすぎて、2回目は見たくない……と思って見ていませんが、見てから2週間、人の感想を見たり、英語脚本をチェックしたりと心に引っかかってやまなかったということは何かしら、この作品に心惹かれているということなので、やっぱり好きな監督だなあというのは再確認できました。インターステラーもそのうち見ようと思います。

独断と偏見による戦争関連映画しんどいランキング(私調べ)

  1. Uボート(4DXなしでトップに君臨)
  2. ダンケルク4DX←ココ
  3. ヒトラーの忘れもの(地雷撤去を強制される少年兵という悲愴シチュ+地雷撤去ハラハラのしんどい合わせ技)
  4. 地獄の黙示録(カルト映画。とにかくわけがわからない。そして長い(202分))
  5. ジョニーは戦場へ行った(手も足も目も耳も口もない負傷兵が主人公の時点でしんどさしかない)
  6. 火垂るの墓(みんなのトラウマ)
  7. ハートロッカー(見た後、非常にやるせない気持ちになる)
  8. アイ・イン・ザ・スカイ(誰も間違ったことはしていないのにしんどい)
  9. 西部戦線異状なし(1930版)(ラストシーンは救済とも取れるのでしんどい度は控えめ)
  10. プライベート・ライアン(エンタメ精神が随所に生きているので楽しんで見られる)

U・ボート ディレクターズ・カット(字幕版) 結論。4DXなしで臨場感を上回ってくる「Uボート」がおかしい。