心を救われたバンドってことで、Syrup16gとアジカンメインの記事を書いたんですが、もっと好きな音楽を掘り下げたいなぁということで、今回は好きなアルバムについて書いて見たいと思います。
Coldplayの3rd アルバム「X&Y」。
2005年発売当時のこのアルバムの日本版のキャッチコピーが「今世紀最高のアルバム」だったか、確かそんな感じでした。
今世紀って、つまり2001-2005年の5年間ですよね?と、あの手この手で毎年、出来の良さをアピールするボジョレーヌーボーのキャッチコピーを思わせるもので、
書き方が大げさで面白くて、試しに買ってみようかなネタとして買ったアルバムでした。そう思うとすごい優秀なキャッチコピーですね。少なくとも私が買った1枚はキャッチコピーだけで売れたんですから……。
Coldplayは当時、既に洋楽好きの人の間では一定の地位を築いていました。
当時サッカーのプレミアリーグを好んで見ていた関係で、スカパーのフィラー(番組の空き時間に流れるハイライトなどのプログラム)で使用される音楽も主に英国のロックバンドのものだったので、英国音楽に触れる機会も多く私も名前くらいは知っていました。
当時は聞いてみて、そんなにピンときていなかったんです。好きな曲も何曲かあるし、綺麗だけど、今世紀最高は大袈裟だろうという感じで。曲としてはSpeed Of Sound、X&Y、Fix Youあたりが好きでした。
同じ頃に買ったPanic At The Disco!の1stアルバムの方を好んで聞いていた気がします。音楽系SNSで人気が出だしたあたりから見ていて、応援したい気持ちが強かったんですよね……PATDは今もたまに聞いてます。
購入してからの十年も、このアルバムが私のiTunesライブラリの中でどんなポジションにいたかというと、年に数回聞くくらいで決して特別なポジションにはいませんでした。
ですが、去年の就活中、面接で上手くいかなくて死にたい気持ちで歩いていた時に、駅でふっとボーカルのクリス・マーティンの声を聞いたとき、無条件に受け入れられているような感覚があって、なんの確証もなく、生きていけると思いました。
帰り道の匂いだけ やさしかった 生きていける そんな気がしていた
CoccoのRainingを引用してしまいましたが、本当に上みたいな感覚でした。
ひきこもりの時に聞いていた音楽を外で耳にするっていう体験が、私にとって重要だったのかもしれません。
そのとき聴いた曲が何だったかもう思い出せないんですが、ボーカルがクリス・マーティンだったことだけは確かで、
触発されて自分のiPhoneで久しぶりに聞いたX&Yは、英語もわからずに洋楽を聴いていた頃からすると、多少は自分の頭と耳で意味を理解できるようになっていて、やっぱり無性に泣けました。
攻撃的で自分を追い詰めるような責めるような曲を好んで聴いていた私が、自分を多少なりとも受け入れられるようになった変化がColdplayの受容を私にもたらしたのかもしれません。